JavaScriptの基本的なデータ型について詳しく説明します。JavaScriptには原始型(プリミティブ型)とオブジェクト型の2つの主要なデータ型があります。
原始型(プリミティブ型)
原始型は、基本的なデータ型であり、以下の6種類があります:
- 数値(Number)
- 文字列(String)
- 真偽値(Boolean)
null
undefined
- シンボル(Symbol)
1. 数値(Number)
数値型は、整数と浮動小数点数の両方を表します。JavaScriptには、整数専用のデータ型はありません。
let age = 25; // 整数
let height = 1.75; // 浮動小数点数
2. 文字列(String)
文字列型は、テキストデータを表します。文字列はシングルクォート、ダブルクォート、またはバックティック(テンプレートリテラル)で囲みます。
let name = "太郎"; // ダブルクォート
let greeting = 'こんにちは'; // シングルクォート
let message = `今日は${name}さん!`; // テンプレートリテラル
3. 真偽値(Boolean)
真偽値型は、true
またはfalse
のいずれかを表します。
let isStudent = true;
let hasGraduated = false;
4. null
null
は、明示的に「値がない」ことを表す特殊な値です。
let data = null;
5. undefined
undefined
は、変数が宣言されているが、まだ値が割り当てられていないことを示します。
let value;
console.log(value); // undefined
6. シンボル(Symbol)
シンボル型は、ES6で導入された一意の識別子を表すデータ型です。シンボルは一意であるため、同じ値を持つシンボルを作成することはできません。
let symbol1 = Symbol("description");
let symbol2 = Symbol("description");
console.log(symbol1 === symbol2); // false
オブジェクト型
オブジェクト型は、プロパティの集合を表し、より複雑なデータ構造を作成するために使用されます。オブジェクト型には、以下のようなものがあります:
- オブジェクト(Object)
- 配列(Array)
- 関数(Function)
- 日付(Date)
- 正規表現(RegExp)
- エラ―(Error)
1. オブジェクト(Object)
オブジェクトは、キーと値のペアを保持するデータ構造です。
let person = {
name: "太郎",
age: 25,
isStudent: true
};
2. 配列(Array)
配列は、順序付きのデータの集合を保持するオブジェクトです。配列の要素には、インデックスを使用してアクセスします。
let fruits = ["りんご", "バナナ", "みかん"];
console.log(fruits[0]); // "りんご"
3. 関数(Function)
関数は、一連のステートメントをまとめて実行するためのオブジェクトです。関数は、JavaScriptの中で第一級オブジェクト(ファーストクラスオブジェクト)として扱われます。
function greet(name) {
return `こんにちは、${name}さん!`;
}
console.log(greet("太郎")); // "こんにちは、太郎さん!"
4. 日付(Date)
日付オブジェクトは、日時を表します。Date
コンストラクタを使用して作成します。
let today = new Date();
console.log(today);
5. 正規表現(RegExp)
正規表現オブジェクトは、文字列のパターンマッチングを行うためのオブジェクトです。
let pattern = /hello/;
let text = "hello world";
console.log(pattern.test(text)); // true
6. エラ―(Error)
エラーオブジェクトは、エラーメッセージやエラーに関する情報を保持するためのオブジェクトです。
try {
throw new Error("これはエラーメッセージです");
} catch (e) {
console.log(e.message); // "これはエラーメッセージです"
}
まとめ
- 数値(Number): 整数と浮動小数点数
- 文字列(String): テキストデータ
- 真偽値(Boolean):
true
またはfalse
null
: 明示的に値がないことを示すundefined
: 変数が宣言されているが値が設定されていない- シンボル(Symbol): 一意の識別子
- オブジェクト(Object): プロパティの集合
- 配列(Array): 順序付きのデータの集合
- 関数(Function): ステートメントの集合
- 日付(Date): 日時を表すオブジェクト
- 正規表現(RegExp): 文字列のパターンマッチング
- エラー(Error): エラーメッセージや情報
これでJavaScriptの基本的なデータ型についての理解が深まったと思います。