
こんな経験、ありませんか?
「こんなアプリを作りたい」とAIに頼んだのに、返ってきたコードが思っていたものと全然違う——。
プログラミング初心者がAIにコードを依頼するとき、よくあるつまずきがこれです。
原因の多くは、AIが実装するために必要な情報が、こちらから十分に伝わっていないことにあります。
「じゃあ毎回細かく条件を書けばいいのでは?」と思うかもしれませんが、初心者にとっては「何を書けばいいのか」自体が分からないのが本当の悩みどころです。
そこで今回は、「目的とゴールだけ書けば、あとの必要事項をAIが提案してくれるプロンプト」を作ってみました。
良いプロンプトに必要な8つの要素
まず前提として、AIにプログラミングを依頼するとき、以下の8つの要素が揃っていると精度がぐっと上がります。
| # | 要素 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 目的・ゴール | 何を作りたいか、どう動いてほしいか |
| 2 | 言語・環境 | 使用言語、フレームワーク、対象OS、実行方法 |
| 3 | 入力と出力 | 何を受け取り、何を返すか(具体例があるとなお良い) |
| 4 | 制約条件 | 使ってよい/ダメなライブラリ、規約など |
| 5 | エラー処理・エッジケース | 想定外の入力やエラー時の挙動 |
| 6 | 既存コードの有無 | ゼロから作るのか、修正・拡張なのか |
| 7 | 出力形式の希望 | コードのみか説明付きか、コメントの粒度など |
| 8 | テストの要否 | 自動テストか、手動確認手順か |
初心者が最初にはっきりさせやすいのは「1. 目的・ゴール」だけで、残りの2〜8は正直なところ「何を書けばいいか分からない」という人がほとんどだと思います。
そこで発想を変えて、**「2〜8はAIに提案してもらう」**という形にしてみました。
実例:付箋アプリを例に
実際に試したケースを紹介します。
まず目的とゴールだけを伝える
目的:Windows OS対応で、デスクトップに付箋を貼れるアプリを作りたい ゴール:ボタンを押すと付箋が出て、デスクトップに貼り付け、自由に文章や画像を貼り付けられ、簡単に剥がせるようにしたい
AIが2〜8を提案
- 言語・環境 → Python + tkinter(標準ライブラリなので導入が楽)
- 入力と出力 → ボタンクリック、テキスト入力、画像のドラッグ&ドロップ
- 制約条件 → 使用ライブラリの範囲、ファイルは1つにまとめる
- エラー処理 → 画像以外をドラッグした場合の警告など
- 出力形式 → コード全体+日本語コメント付き
- テスト → 自動テスト不要、手動確認手順を明記
このとき、AIが「フォルダ内への貼り付けは技術的に難易度が高いため、まずデスクトップ優先にしましょう」と現実的な代替案を示してくれた点も大きなポイントでした。
初心者が気づきにくい実装上の壁を、事前に教えてもらえるわけです。
こうして出来上がったのが、そのままコピーしてAIに投げられる「完成版プロンプト」です。
もっと楽したい人向け:テンプレートプロンプト
毎回この流れを手動でやるのは面倒なので、「目的とゴールを書くだけで、1回のやり取りで完成プロンプトまで作ってくれる」テンプレートを作りました。
あなたはプログラミング初心者向けにプロンプト作成をサポートする専門家です。
以下の手順で、私の要望からプログラミング依頼用の完成プロンプトを1回の回答で作成してください。
【私の要望】
目的:(ここに作りたいものの目的を書く)
ゴール:(ここに具体的にどう動いてほしいかを書く)
【あなたが行う作業】
1. 私が書いた「目的」と「ゴール」を、初心者にも分かりやすい言葉で整理し直す
2. 以下の2〜8の要素について、私の要望内容から妥当な内容を推測・提案する
(不明な点や技術的に難易度が高い部分があれば、代替案とその理由を明記し、
「後回しにすることをおすすめします」等の一言を添える)
2. 言語・環境(プログラミング言語、フレームワーク、対象OS、実行方法など)
3. 入力と出力(何を受け取り、何を返すか)
4. 制約条件(使用してよい/ダメなライブラリ、パフォーマンス要件など)
5. エラー処理・エッジケース(想定外の入力やエラー時の挙動)
6. 既存コードの有無(ゼロから作成か、修正・拡張か)
7. 出力形式の希望(コードのみか説明付きか、コメントの粒度、ファイル分割など)
8. テストの要否(自動テストか、手動確認手順か)
3. 上記1〜8の内容をすべて統合し、そのままコピーして別のAIに投げられる
「完成版プロンプト」をコードブロックで最後に提示する
【注意点】
・専門用語を使う場合は簡単な補足をつける
・初心者が実装しやすいよう、シンプルで現実的な提案を心がける
・技術的に難しい要望がある場合は、無理に応えようとせず、
実現可能な代替案を提示したうえで進める
使い方
上記テンプレートの「目的」「ゴール」の部分に、自分の要望を書き込んで送るだけです。あとはAIが2〜8を提案し、そのまま使える完成プロンプトを一発で返してくれます。
こんな人におすすめ
- プログラミングを学び始めたばかりで、AIに何を伝えればいいか分からない人
- エンジニアではないけれど、副業や趣味で簡単なアプリを作りたい人
- 毎回AIとの往復に時間がかかって面倒だと感じている人
まとめ
AIにコードを頼むときの最大のハードルは、「何を伝えればいいか分からない」ことです。
今回紹介したテンプレートを使えば、目的とゴールさえ言葉にできれば、あとの技術的な詳細はAI自身が初心者向けに補ってくれます。
「作りたいもの」はあるけど「頼み方」が分からない、という人はぜひ一度試してみてください。